今日はちょっとマジメなお話です。
あ、いつもマジメなんですけど・・・(^^;)
アパレル業界の裏事情といいますか、ちょっと難しいお話になるかと思います。
現在というか数年前からですが、アパレル業界は氷河期のように厳しい時代です。
安い中国製品にどんどん押されて、日本の縫製工場もどんどん倒産していってます。
アパレルメーカーさんもなんとか企画生産していっても、世間もみんな不景気なせいで
店頭に並べた服もたくさん売れ残っている状態です。
そんな中、快進撃で伸びてきている会社があるそうで。
それはMade in Japanの子供服ブランドです。
なんと、そのブランドさんの子供服はすべて2000円以下!
日本製でこの値段!!
そりゃ、みんな飛びついて買いますよね。
どうしてこんな値段で日本製の服が作れるのかというと・・・。
昔から繊維産業として発展していた地域がありまして、
そこでは現在でも、ある日本製のアイテム縫製を70%もしめている地域です。
とはいえ、やはり一昔前に比べては落ちてきているし、
経営者も高齢になったりで、たくさんの縫製工場が閉鎖していっています。
そこで働いていた「主婦の職人さん」に内職として縫製をしてもらっているのです。
このブランドさん、数ヶ月前にテレビの番組で取り上げられたそうです。
(私は見てないのですが)
番組の主旨は「雇用問題」。
リストラや就職氷河期の深刻な問題のこの時代で、主婦という働き手が快進撃を見せる、
というものだったようです。
私は仕事柄、お洋服を見ると「これ、いくらで縫ってるんだろう?」と計算してしまいます。
このブランドを知ったときも、第一にそこを計算してしまいました。
このブランドさんの場合、中間業者を挟み込まないで直接、販売店に卸しているようです。
それも低価格の理由となっているんですが。
そこを考慮したとしても・・・
定価2000円弱。
詳しい計算方法は書きませんが、
服には生地も使います。ボタンやファスナーなどの副資材も必要です。
それらを計算して・・・
どう考えても、縫製工賃としては500円以下・・・。
番組では、この内職主婦さんたちの縫製の技術にも注目していたようです。
元々は何十年も縫製工場で働いていた人たちです。
服飾専門学校のトップクラスの生徒さんと、ズボンのウエストを縫い上げる競争をしました。
結果は、生徒さんが10分ほどかかる作業を、ベテラン主婦さんは1分ちょいで仕上げたそうです。
縫製工場ではスピードも重視します。
納期があってそれに遅れると大変なことになりますから。
それに手抜きも失敗も許されません。
そんなすごい縫製技術をもった主婦たち。
この人たちは、何年も何十年もかかってこの技術を習得したはずです。
私もこのブログでいくつかのプロのコツを披露しています。
でも「コツはコツ」でしかなく、本当の意味での技術ではありません。
このコツを知ったところで、すぐにバシっとした服が縫えるわけではないんです。
やっぱり長年の経験を経て、腕が、手が、指が、「勘」を覚えて染みこんでいって
初めて「縫製職人」となるんです。
話は戻りますが、この子供服ブランドさん。
「主婦の内職だから、この価格で出来るんです!」とのこと。
逆に考えれば・・・
主婦だから低工賃でいいだろう、ってか。
彼女たちは「主婦」である以前に、立派な「縫製職人」です。
世界に誇る日本の縫製技術を修得した職人に、
「主婦だから」という理由で低コストな労働力とみなされてしまうのは、
あまりに悲しすぎます。
このブログを読んでいただいてるみなさんは、ミシンでものを作り上げてる方が多くいらっしゃいます。
一着の服を作り上げるという工程は、どれだけ複雑で繊細でとても大変なことだということを、
ご理解していただけるかと思います。
そんな大変な仕事が、パートの時給以下だったとしたら・・・。
この子供服ブランドさん。
どうしてこんな価格にしてしまったんだろう。
そりゃ、子供服は同じアパレル業界の中でもかなり厳しい分野になります。
すぐに大きくなるし汚すし、安ければ安いほうがいいです。
中国製の安い子供服もたくさん出回っています。
そんな価格競争に負けじと乗り出してしまったんでしょうが、
「Made in Japan」を背負うなら、もっと違う方法で競争して欲しかったです。
とはいっても、本来なら自宅でこのまま眠ってしまうはずの技術が、
この子供服ブランドによって世の中に再度復活したということについては喜ぶところなんですが。。。
ちなみに、このブランドを支えてる内職主婦さん。
38歳から71歳の方たちがいらっしゃるようです。
38歳の人はともかく、71歳の方はあと何年この仕事が出来るんでしょうか。
そして、この内職主婦さんたちがいなくなったら、このブランドはどうなるんでしょうね・・・。
今日は固いお話になってしまって申し訳ありません。
明日(もう今日か)から3連休!
主婦のみなさんは連休の方が大忙しですよね。
洗濯、お掃除、がんばりましょう~(^o^)/
☆応援のほうもよろしくお願いいたします。
ポチポチっとρ(・・。) コレ
→handmade.blogmura
→BLOGRANKING
*ありがとうございました*
あ、いつもマジメなんですけど・・・(^^;)
アパレル業界の裏事情といいますか、ちょっと難しいお話になるかと思います。
現在というか数年前からですが、アパレル業界は氷河期のように厳しい時代です。
安い中国製品にどんどん押されて、日本の縫製工場もどんどん倒産していってます。
アパレルメーカーさんもなんとか企画生産していっても、世間もみんな不景気なせいで
店頭に並べた服もたくさん売れ残っている状態です。
そんな中、快進撃で伸びてきている会社があるそうで。
それはMade in Japanの子供服ブランドです。
なんと、そのブランドさんの子供服はすべて2000円以下!
日本製でこの値段!!
そりゃ、みんな飛びついて買いますよね。
どうしてこんな値段で日本製の服が作れるのかというと・・・。
昔から繊維産業として発展していた地域がありまして、
そこでは現在でも、ある日本製のアイテム縫製を70%もしめている地域です。
とはいえ、やはり一昔前に比べては落ちてきているし、
経営者も高齢になったりで、たくさんの縫製工場が閉鎖していっています。
そこで働いていた「主婦の職人さん」に内職として縫製をしてもらっているのです。
このブランドさん、数ヶ月前にテレビの番組で取り上げられたそうです。
(私は見てないのですが)
番組の主旨は「雇用問題」。
リストラや就職氷河期の深刻な問題のこの時代で、主婦という働き手が快進撃を見せる、
というものだったようです。
私は仕事柄、お洋服を見ると「これ、いくらで縫ってるんだろう?」と計算してしまいます。
このブランドを知ったときも、第一にそこを計算してしまいました。
このブランドさんの場合、中間業者を挟み込まないで直接、販売店に卸しているようです。
それも低価格の理由となっているんですが。
そこを考慮したとしても・・・
定価2000円弱。
詳しい計算方法は書きませんが、
服には生地も使います。ボタンやファスナーなどの副資材も必要です。
それらを計算して・・・
どう考えても、縫製工賃としては500円以下・・・。
番組では、この内職主婦さんたちの縫製の技術にも注目していたようです。
元々は何十年も縫製工場で働いていた人たちです。
服飾専門学校のトップクラスの生徒さんと、ズボンのウエストを縫い上げる競争をしました。
結果は、生徒さんが10分ほどかかる作業を、ベテラン主婦さんは1分ちょいで仕上げたそうです。
縫製工場ではスピードも重視します。
納期があってそれに遅れると大変なことになりますから。
それに手抜きも失敗も許されません。
そんなすごい縫製技術をもった主婦たち。
この人たちは、何年も何十年もかかってこの技術を習得したはずです。
私もこのブログでいくつかのプロのコツを披露しています。
でも「コツはコツ」でしかなく、本当の意味での技術ではありません。
このコツを知ったところで、すぐにバシっとした服が縫えるわけではないんです。
やっぱり長年の経験を経て、腕が、手が、指が、「勘」を覚えて染みこんでいって
初めて「縫製職人」となるんです。
話は戻りますが、この子供服ブランドさん。
「主婦の内職だから、この価格で出来るんです!」とのこと。
逆に考えれば・・・
主婦だから低工賃でいいだろう、ってか。
彼女たちは「主婦」である以前に、立派な「縫製職人」です。
世界に誇る日本の縫製技術を修得した職人に、
「主婦だから」という理由で低コストな労働力とみなされてしまうのは、
あまりに悲しすぎます。
このブログを読んでいただいてるみなさんは、ミシンでものを作り上げてる方が多くいらっしゃいます。
一着の服を作り上げるという工程は、どれだけ複雑で繊細でとても大変なことだということを、
ご理解していただけるかと思います。
そんな大変な仕事が、パートの時給以下だったとしたら・・・。
この子供服ブランドさん。
どうしてこんな価格にしてしまったんだろう。
そりゃ、子供服は同じアパレル業界の中でもかなり厳しい分野になります。
すぐに大きくなるし汚すし、安ければ安いほうがいいです。
中国製の安い子供服もたくさん出回っています。
そんな価格競争に負けじと乗り出してしまったんでしょうが、
「Made in Japan」を背負うなら、もっと違う方法で競争して欲しかったです。
とはいっても、本来なら自宅でこのまま眠ってしまうはずの技術が、
この子供服ブランドによって世の中に再度復活したということについては喜ぶところなんですが。。。
ちなみに、このブランドを支えてる内職主婦さん。
38歳から71歳の方たちがいらっしゃるようです。
38歳の人はともかく、71歳の方はあと何年この仕事が出来るんでしょうか。
そして、この内職主婦さんたちがいなくなったら、このブランドはどうなるんでしょうね・・・。
今日は固いお話になってしまって申し訳ありません。
明日(もう今日か)から3連休!
主婦のみなさんは連休の方が大忙しですよね。
洗濯、お掃除、がんばりましょう~(^o^)/
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*ありがとうございました*
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